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花柘榴・枇杷の実

花柘榴


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花柘榴太陽小さき水溜まり



花柘榴遠い過去から長電話

小さな可愛い、柘榴の花が、大好きである。
この大好きには、わけがあって、生まれた家の門のそばに、あったからなのだと思う。
正しくは、お向かいの家にあった木なのだが、親戚だし、一つの門の中だったので、身近なものだった。

でも、子供の目線は低い。あの頃、幼稚園に行っている頃だっただろうか。
どうしても、地面に落ちている額のほうに目が行って、そちらを花だと思っていたのだ。

私は不思議だった。
どうしてこんなに固い花があるのかが。
あのタコウィンナのような、赤い星のような、可愛い額を、「世界で一番固い花」と思っていたのだ。
散々拾って遊んだ、「世界一固い花」。

この木の下を通って、銭湯にも行った。角のパン屋に、ヨーグルトを買いに行ったし、、駄菓子屋にも行った。

柘榴の花はまた、なんとなく電話にイメージが結びついてしまう。
その柘榴の木から、遠くない位置に、自分の家の電話が置いてある場所が、あったからなのである。

ダイヤル式の、真っ黒な、あの電話。
過去からの長電話が、かかってきそうな、一人の、梅雨時の、午後。




花柘榴ほのかな夕焼け消えてゆく



花柘榴女王と小人のどの童話




花柘榴小さな恋のものがたり


最後?に恋をしたのは、一体いつだったかな。
いや、「恋をした」っていうのは語弊がある。「ひとを好きになったのは」というべきか。
うわー!もしかしてかれこれ7年前くらい。そ、そんなに前。なんか悲しい。
芸能人とかでもいいから、誰かいなかったっけ?
・・・いない。一体なにやってたんだろう。
いやいや、遅まきながら、デザイナーとしての一歩を踏み出したりなんだり、他にしんどいことも色々あっったから、よっぽど余裕なかったんだなあ。

と言ったって、主婦の恋なんぞ、たかが知れているのだ。それは育たない花の種だの、満足に光らずに落ちてしまう線香花火とか、縁日で買ってくる金魚とか、方程式の代数とか、密かにしまってある宝くじみたいなものなんだから。(最も人によっては、積極的に育てるという人もいるのであろう。)

ずっと昔、息子の学校の先生を密かに好きだったこともあったっけ。
そんなこと書いて夫に悪くないのかって?
あっちはあっちで、子供の友達のお母さんのこと、「○○しゃん、好き」なんて言って顔を赤らめてたんだから、いいの。
だってその時に作った句が、「鶯ほどの恋己に発覚す」なんだから、可愛いことこの上ない。
小さな鶯。しかも、その恋に自分が気が付いた、というくらいなんだから、それが事件だというんだから。

だから、鶯だの、柘榴の花だの、そっと小さな花くらいの、ささやかな物語。
決して薔薇だのカトレアだの、牡丹だの芍薬ではない。

のっぽでガリガリに痩せたジャクソン・ブラウンみたいな、無精な感じのセミロング・ヘアー。
なんだか少し汚れてるよーな白いアラン模様のセーターにジーンズ、真っ赤なダウン・ジャケット。

でもきっとあの人は気が付いていたんだろうなあ。だって、恋をしていて、相手に悟られないようなものは、恋って言えるか怪しいものだと思う。





花石榴雨きらきらと地を濡らさず  (大野林火)

花柘榴の俳句で、いっとう好きなのが、これである。
こんなに素晴らしい句と自分のを並べると、いかにもがっかりしてしまうけれど。
まだ梅雨も深くなく、地面を濡らさぬほどの細やかな雨が、音もなくそっと降り出した。
角度によって、その雨がきらっと光る。ことによると少し天気雨のような状況かもしれない。
そしてまた、小さく、しかしくっきりと赤い柘榴の花も、その雨にきらきらと昼の星のように、輝いている。








枇杷の実



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ふくよかな赤子と闇と枇杷実る



枇杷の実の犇めくむこう星ひとつ



枇杷の実や地中に古りし子守唄



朗報はまだ秘密にし枇杷実る



枇杷実りアンリ・ルソーの森開く

枇杷が生っているのを見るのが好きだ。無論食べるのもいいが、安くないわりには、結構当たり外れがあるような気がする。
外れた枇杷を食べるのは、めっぽう寂しい。ただ水分と、種周辺の微かな渋さだけで、あてにしていたお土産が何にもなかった時のような、子供じみた落胆だけが残る。
枇杷の実が生っているのを見上げると、とても懐かしさを感じる。
何故か昭和を感じるのだ。昭和30年代とか、40年代とか。「暮らしの手帖」とか、あの辺の雑誌のグラビアの色合い、ちょっと黄ばんで、くすんだ感じのレトロ色合い。
そんなイメージが浮遊してくる。

一転して、アンリー・ルソーの絵に登場しても、絶対おかしくない雰囲気があると思う。
素朴だけれど、幻想的なその絵の世界の、まるで動物さながらに、生き生きととふくよかな、果実。







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いつもご訪問頂きありがとうございます。 「俳句とエッセイ時々音楽」のブログ名を、「A Cup of俳句」に改名させていただきます。宜しくお願いいたします。

プロフィール

ネコヤナギ

Author:ネコヤナギ
俳句は一行詩。コンパクトな宇宙です。それと日々出会う物・事を気ままに綴り、ジャンルにこだわらない音楽のことも少し。俳句は1994年から書き溜めていたものを2017年1月から遡ってまとめました。
60代突入・主婦時々グラフィックデザイナー。在宅ワーカーです。
趣味は俳句・ガーデニング・音楽・デザイン。

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