3,4月 入学(2002)

金星に繋がれしごと子と帰る


幼稚園に息子を迎えに行き、帰りに誰かしら子供の友達の家に遊ばせに連れてゆく。
帰り道はもうとっぷりと暮れていて、もうすぐ家という角を曲がると、いつも同じ場所に金星が、大きく輝いている。
だがこの場合、この金星がうっとうしいのである。

毎日毎日の同じ事の繰り返し、同じ時刻の同じ道。これから帰宅してやることも同じ。
いくら輝く金星といえども、何か子供と二人で、この星に繋がれて、見えない糸を手繰り寄せられてまた家に着く、
そんなイメージを持ってしまうほど、変化の無い日々なのだった。


しかし手を繋いでいる子供の生きている世界は、全く質が違うのだろう。
いきいきとしたウルトラマンやチョコレートや、友達の顔や、葉っぱや虫や拾った小石などでいっぱいで、
絶えず意識が更新されて、新鮮で、驚きに満ちているのだろう。
そしてみっしりと充実しているため、時間はゆっくり過ぎるのだ。

大人になった自分の平板な意識との差をしみじみとかんがえる。
ひとつの世界の時間の中を共に生きていても、かように個別な時間を、私たちは生きているのだ。




卒園の今日も虫捕る線路沿い



春昼の空にしがみつくジェット・コースター




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菜花一面光編みをり空の下



背丈より菜花が高し入学す 



花冷えに電子レンジの音寂し



夕桜見るも一時主婦となり



生きるほど自分から遠く夕桜



新緑やビタミン飲んでも追いつけず



紫陽花に触れてみる子の手が濡れし



道草の子の傘集う赤青黄





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いつもご訪問頂きありがとうございます。 「俳句とエッセイ時々音楽」のブログ名を、「A Cup of俳句」に改名させていただきます。宜しくお願いいたします。

プロフィール

ネコヤナギ

Author:ネコヤナギ
俳句は一行詩。コンパクトな宇宙です。それと日々出会う物・事を気ままに綴り、ジャンルにこだわらない音楽のことも少し。俳句は1994年から書き溜めていたものを2017年1月から遡ってまとめました。
50代後半、双子座・A型・主婦兼グラフィックデザイナー。在宅ワーカーです。
趣味は俳句・デザイン・音楽・手織り。最近ホロスコープの奈落に足を突っ込んでいます。

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