4月 桜  (2015)

午睡から覚めし空白さくらかな



夕桜毛細血管ひろげをり



八重桜しばらく西日身籠りぬ



今日の迷い昨日の迷いとさくら咲く



浴槽に五指を広ぐや花曇り




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ひとしきり迷子となりぬさくらかな


近所に桜の美しい公園があり、花見時ともなれば、大勢の人で賑わう。
しかし、やはりあれだけは勘弁してほしい。
カラオケである。

桜の盛りに、静かに心行くまで桜を愛でるのは、案外難しい。
大きめの公園ならば、必ず大人数の花見客がいて、賑やかなことこの上ない。
しかしそれを避けるとなると、盛りを過ぎてしまったりするものだ。

今年もその公園に行ってみると、天気が良かったせいもあり、
案の定いくつものグループがバーベキューをやっていたり、なんだりかんだり。
がっかりしたけれども、せっかく満開の時期に足を運んだのだからと、
私は車を降りると、ひとりでその人混みの中へ入っていった。
多勢に無勢というのは、なかなか落ち着かないものだ。

しかし一体樹齢何年?というような荘厳な桜の大木の下へ入ると、
案外静かな感じがして、驚いた。
無限に重なり合っている桜の花びらが、思いのほか、音を吸い取ってしまうのかもしれない。
人々のざわめきは、その桜の大樹の下では、水の中で聞くように、なんだかぼんやりとしているのだった。

見上げると、桜の大樹のこの世のものらしからぬ、静かな存在感は、人々の喧騒に、全くのところ影響を受けていなかった。

私はそれがわかると、なんとなく満足して、車に帰った。


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葉桜に風を残して日暮れかな



花の下誰かが誰かの名前呼ぶ



風の掌から初蝶が生まれる



春風を抱きレジ袋横断す



囀りの集まる大樹は眩しくて



菜の花を残し街並み暮れ色に



桜草小さな嘘が明るみに



 

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いつもご訪問頂きありがとうございます。 「俳句とエッセイ時々音楽」のブログ名を、「A Cup of俳句」に改名させていただきます。宜しくお願いいたします。

プロフィール

ネコヤナギ

Author:ネコヤナギ
俳句は一行詩。コンパクトな宇宙です。それと日々出会う物・事を気ままに綴り、ジャンルにこだわらない音楽のことも少し。俳句は1994年から書き溜めていたものを2017年1月から遡ってまとめました。
50代後半、双子座・A型・主婦兼グラフィックデザイナー。在宅ワーカーです。
趣味は俳句・デザイン・音楽・手織り。最近ホロスコープの奈落に足を突っ込んでいます。

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