3月 椿と雷(2014)

立ち止まる沈丁香に立ち塞がれて

周辺の闇に加えて、考え事ばかりに気を足られて歩いているから、花よりも香りにまず不意打ちされる。
雨上がりのせいだろう、濃厚な香りが、まるで肉体を持ってでもいるかのように、私の前に立ち塞がる。



春灯や見知らぬ路地の懐かしく



雪柳家族の中に居てひとり



パンジーの花壇半分日蔭いる



椿一輪春雷一度鳴りしのみ





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春驟雨過ぎて雫が窓一面

いきなりの春嵐。分厚い灰色の雲がみるみる増殖し、一斉に大粒の雨が降り出した。
窓を開けたら、むっとする土埃の匂いが、過去幾たびも経験した、あの胸騒ぎをまた瞬時に呼び覚ました。
まだこんな気持ちを味わうことができる自分に少し驚く。
だが、あれよあれよという間に嵐は通り過ぎてしまった。
拍子抜けするほどあっけなく。
まだ窓硝子一面に、嵐の打ちつけた大粒の雨の雫がきらきらとシャンデリアのように残っているのに、
嵐はもうどこ吹く風で、居なくなってしまった。

そしてもうその雫の中に、陽の光が生まれ始めているではないか。
私は何かに化かされでもしたように、呆然と美しい嵐の置き土産を眺めていた。 





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お知らせ

いつもご訪問頂きありがとうございます。 「俳句とエッセイ時々音楽」のブログ名を、「A Cup of俳句」に改名させていただきます。宜しくお願いいたします。 また、当ブログ内に埋め込んでいた音楽配信動画のうち、違法にアップされたものは削除いたしましたが、公認されているものも色々ありましたので、再度少しづつ載せていきたいと思います。ジャズ・ロック・クラッシック、ジャンルは問いませんが、心に沁みるアコースティックなものをコラボ。

プロフィール

ネコヤナギ

Author:ネコヤナギ
俳句は一行詩。コンパクトな宇宙です。それと日々出会う物・事を気ままに綴り、ジャンルにこだわらない音楽のことも少し。俳句は1994年から書き溜めていたものを2017年1月から遡ってまとめました。
50代後半、双子座・A型・主婦兼グラフィックデザイナー。在宅ワーカーです。
趣味は俳句・デザイン・音楽・手織り。最近ホロスコープの奈落に足を突っ込んでいます。

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