6月 花合歓(2013)

紫陽花や門開けしまま夕暮れぬ



紫陽花を買って六月持ち運ぶ



紫陽花を囲む未明に月残り


花の中で、やはり紫陽花は特別に好きな部類に入る。
花で嫌いなものはあまりないけれど、例えばカーネーションとか、マーガレットとかに比べると、梅、桜、紫陽花、向日葵、などは、押しも押されぬ、季節そのものをしょって立つ花、そう思うのだ。
花だけでなく、周りの大気の変化を背景としてしょってくる、そんな気がする。

秋の花は、少しばらける。
コスモス、彼岸花、桔梗。 女郎花、萩、など、人によって、秋をイメージする花は、かなり分かれそう。
たぶん、「紅葉」という季語が、季節をしょって立つものとしてそういう位置にあるのかもしれない。

紫陽花は梅雨という気持ちの低くなりがちな季節を、考え直させてくれるような、そんな力を持っている。
「ほら、こんな楽しみもあるでしょう、6月には」。
と紫陽花が言ってくる。
「だから元気を出しなさい」。

紫陽花のない6月なんて、もうそれこそ考えただけでげっそりする。
仕事がある時は遅くまでというか、ほとんど6月頃には薄明るくなるまで起きている。
ベランダに、今年は紫陽花の小さな鉢を買って置いてある。
3階なので日射が非常にきつく、梅雨が明けたら他の場所へ降ろしてやらねばならないのだが、今しばらくはここに居てもらえる。

空気もまだ清らかな、夕暮れくらいの未明の水色のなかに、紫陽花のまた繊細に他の色味を含んだ水色があり、そこへ細い月が残っていたりするのは、たとえようもなく美しい。



ピアノ閉じれば残響幽か梅雨に入る



額紫陽花しだいに空と水の幾何





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夫アイスコーヒー我ホット話題拾い



走り梅雨夢から醒めし身の重さ



梅天や朝刊バイク小刻みに



ゼリー崩し迷って迷ってまだ迷ふ



花合歓やすべて影絵となる時間



デルヴォーの女ら軽し合歓の花





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皆一緒に各々ゲーム梅雨の空



電車止まり扉開けば梅雨の月



梅雨晴れの夜道のら猫あちこちに



女形のやうな声色明鴉



明日という空白嬉し天気雨



天気雨しばらく街に人に彩(いろ)



くちなしの香横切る闇濡れてゐる





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いつもご訪問頂きありがとうございます。 「俳句とエッセイ時々音楽」のブログ名を、「A Cup of俳句」に改名させていただきます。宜しくお願いいたします。

プロフィール

ネコヤナギ

Author:ネコヤナギ
俳句は一行詩。コンパクトな宇宙です。それと日々出会う物・事を気ままに綴り、ジャンルにこだわらない音楽のことも少し。俳句は1994年から書き溜めていたものを2017年1月から遡ってまとめました。
50代後半、双子座・A型・主婦兼グラフィックデザイナー。在宅ワーカーです。
趣味は俳句・デザイン・音楽・手織り。最近ホロスコープの奈落に足を突っ込んでいます。

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