5月 万緑開く(2013)

キャンパスの百樹百色若葉なり



ドライヤー舞う髪の間の若葉かな



近景も中景も遠景も青葉 



塑像立つ溢れる青葉押し留め (川村記念美術館)



緑陰やブラックの小品に戻る



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ヨー・ヨー・マとキャサリン・ストット(Yo-Yo Ma&Kathryn Stott ) 「The Swan」





エルンストの扉から記憶の森に降る



万緑や塑像隕石の如く在り


佐倉市の川村記念美術館に行った。
中々素晴らしかった。
絵もいいが、庭が凝っている。
雑木林風の自然を残した部分もあるが、四季折々に、桜、躑躅、紫陽花、紅葉などが順番に楽しめるよう、うまく配置され、大きな池には白鳥やガチョウがいて、そういう中に突如、現代美術のわけのわからん彫刻が、隕石か何かのように唐突にあるのが、とても新鮮だった。

一番面白かったのは、池にいたガチョウだった。
家族なのだろうか、3羽のガチョウが、私たちをを見つけると、そばまで寄ってきた。
一応、囲いがしてあるのだが、3羽は囲いぎりぎりまで一緒に歩いてきて、止まった。

「一緒に歩いて」というところが、半端ではなかった。
誰かがどこかで号令でもかけているように、その3羽のガチョウの足並みはぴったりと揃っていたのだ。
「オイッチニ、サンシ、オイッチニ、サンシ」と言う感じで、
3羽の足取りは一部の隙もなく乱れない。
なぜ指導者がいないのに、ここまで息の合った行動が取れるのか、不思議でならなかった。
私が感心して色々と話しかけると、「がーガー」、「ゴーゴー」と、どう聞いてもこれは会話というタイミングで声が返ってくる。

1羽が座り込んだら、そのあと、一泊置いて、2羽も同時に座り込んだ。
すべてが計算されつくした舞踏か歌舞伎のように、無駄なく、拍子が揃っていた。

数分の間、私はガチョウと会話した。言葉の概念はなくとも、何らかの気持ちのシンパシーのようなものはあったと思う。

3羽の中で他のものより少し大きめなガチョウが、ついと、立ち上がった。
するとまた快い間合いで1拍置いて、他の2羽が同時に立ち上がった。
そして大きなガチョウが回れー、右、をすると、また1拍置いて、他の2羽も同時に回れー、右、をした。

それからまた寸分乱れぬ、見事に息の合った行進をして、3羽のガチョウは私たちの前から、遠ざかって行ってしまった。




囀りが刻まれる空への自動ドア



春暁に銀の秒針刻々と



葉桜が風溜めていて睡くなる



新緑溢る家中の鍵閉めており





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焼いている肉の向き替え緑夜来る



緑夜ひとり風の裸身に包まれる



緑陰が我が四肢となる速さかな



湧くように薔薇咲いて日曜瞬く間



呼び鈴に誰も応えず薔薇の庭



薔薇散って薔薇の象(かたち)で夜が来る





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緑陰に沈み「海辺のカフカ」読む



洗い物今日何回目薄暑かな



青葉揺らぎまた片づけが中断し



マクドナルド茶髪に埋まる若葉かな



太陽の残像小さき木下闇



万緑開く交響曲の分厚い扉





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五月雨の緩急聴いている不眠



夏木立影は鴉となって翔つ






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いつもご訪問頂きありがとうございます。 「俳句とエッセイ時々音楽」のブログ名を、「A Cup of俳句」に改名させていただきます。宜しくお願いいたします。

プロフィール

ネコヤナギ

Author:ネコヤナギ
俳句は一行詩。コンパクトな宇宙です。それと日々出会う物・事を気ままに綴り、ジャンルにこだわらない音楽のことも少し。俳句は1994年から書き溜めていたものを2017年1月から遡ってまとめました。
50代後半、双子座・A型・主婦兼グラフィックデザイナー。在宅ワーカーです。
趣味は俳句・デザイン・音楽・手織り。最近ホロスコープの奈落に足を突っ込んでいます。

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