7,8月 水平線(2009)

隣人の手鏡眩し夏に入る



夏蝶の炎天に触れず過ぎ行きぬ

黒い大きな夏蝶が不意に飛んできて、気まぐれに低空飛行して、去ってゆく。
周りはうだるような炎天なのだが、大御所の女優さながらエレガントな姿と、優雅な舞踏のような動きが、どう見ても暑さとは無縁で、黒いせいなのか、小さな木陰が飛んでいるようにも思える。


夏蝶過ぎぬどの花にも留まらず



蝉の声緑累々と重なりぬ



疲れゐし四肢から遠く夏の月





200978b.jpg




凌霄花許せばたちまち午睡くる



祭り太鼓遠く眠りの崖踏み外す



高校見学子に追い付けぬ油照り



百日紅空泳ぐ知りたくないこと



風鈴連打して目覚めれば矩形の空



夕立ちて踊りの唄の途切れをり

すぐ近くの公園で盆踊りをやっていたのだが、いきなり雨が降り出した。かなり強い雨脚だった。
降り出してすぐ、雨と同じように唐突に、大音量の盆踊りの音楽もいきなり途切れた。
ふたつの唐突が重なって、不思議な空間ができていた。たくさんの人が、一挙に呆然としている姿が目に浮かんだ。


200978c.jpg

ランキング始めました。
応援お願いします。

にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ
にほんブログ村


蝉の声何層にも頂取り囲み



脈略無き夢に浸かりて夏の月



夕顔や泣けば不気味に顔大きく



鉄橋の音に目覚めて夏の川



風鈴連打して目覚めれば矩形の空



立札にサンダル干して夏の海





200978d.jpg



エブリシング・バット・ザ・ガール(Everything But The Girl)Language of Life より  「 Driving 」
イギリスのトレーシー・ソーンとベン・ワットによる2人組のユニット。初期の頃のこういうアコースティックなサウンドの頃が一番好きだ。



炎昼が夏の波頭に垂直に



向日葵から海への道の遠近法



思春期の子の目の高さに水平線



わが問いも波の高さに胸の中



立ち上がる波の重たき晩夏かな



波引けば夕空映る濡れた砂



夕焼けを曳いてくる船夏の果て





200978h.jpg





街に帰す潮風髪に残しまま



夏月の表面張力街の上



向日葵が分解していく晩夏のひかり



夏の星記号となりて子等の夢



空蝉の中の虚空も晩夏かな



金管の音色蔭れば晩夏なり



新涼や夕べの月のまだ白き




200978j.jpg




ランキング始めました。
応援お願いします。

にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ
にほんブログ村
スポンサーサイト

お知らせ

いつもご訪問頂きありがとうございます。 「俳句とエッセイ時々音楽」のブログ名を、「A Cup of俳句」に改名させていただきます。宜しくお願いいたします。 また、当ブログ内に埋め込んでいた音楽配信動画のうち、違法にアップされたものは削除いたしましたが、公認されているものも色々ありましたので、再度少しづつ載せていきたいと思います。ジャズ・ロック・クラッシック、ジャンルは問いませんが、心に沁みるアコースティックなものをコラボ。

プロフィール

ネコヤナギ

Author:ネコヤナギ
俳句は一行詩。コンパクトな宇宙です。それと日々出会う物・事を気ままに綴り、ジャンルにこだわらない音楽のことも少し。俳句は1994年から書き溜めていたものを2017年1月から遡ってまとめました。
50代後半、双子座・A型・主婦兼グラフィックデザイナー。在宅ワーカーです。
趣味は俳句・デザイン・音楽・手織り。最近ホロスコープの奈落に足を突っ込んでいます。

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR